光と風と猫。

静かに暮すことを目指します、ブログ名は中島敦の小説から。X(旧Twitter)もやっています。

東京医科大学で不正入学事件。

東京三大医大といえば

 

信濃町慶應医学部、西新橋の東京慈恵会医大千駄木の日本医大である。

 

あくまで私立大学のことである。

 

(昭和や順天堂があるではないかという異論は認める。)

 

東京医大の入学の難度はその三校に続く難度である。

 

とんでもない事件がおきてしまった。

 

現在報道されていることが事実であるとの前提で書くが、

 

不正入学の事件が起こってしまったのである。

 

文部科学省の局長が受託収賄で逮捕された。

 

便宜をはかった見返りに局長の息子を東京医大

 

不正に入学させたというのだ。

 

金銭の授受などではなく、便宜の見返りに局長の子供を不正に入学させたのである。

 

東京医大文部科学省の私学支援授業の対象になっていなかったのである。

 

前年度は選に漏れていたのである。

 

東京医大の理事長が便宜をはかって欲しいと局長に依頼したのであった。

 

私学支援事業の対象にしてほしいと。

 

大学の不正をチェックして改善させるのが文部科学省である。

 

それが、あろうことか、文科省職員が便宜をはかった見返りに

 

自分の子供を東京医大に不正に入学させていたのである。

 

便宜依頼は東京医大の理事長がやった、学長も関係しているという。

 

こういう事件にはブローカーがいるとおもうが

 

はたして間に立ったコンサルタントの人間がいた。

 

今は私大医学部、病院は経営がたいへんである。

 

医学部と病院の半数は赤字だそうだ。

 

OBからの寄付、受験生の入学金、授業料、親からの寄付、

 

国からの補助が収入である。

 

学費を下げてまでも入学者を募る大学もあるそうだ。

 

支援事業の対象となる大学での研究などの費用は

 

補助金公的資金である。つまりは税金である。

 

税金で「不正を行った大学を支援する」ことになってしまったのである。

 

国公立も経営は大変だそうだ。地方にいくと医師確保のために

 

地元出身を優先的に入学される傾向があるのだそうだ。

 

公立はしかたがないとおもうが。

 

東京医大の件でいちばん当惑しているのは、現在東京医大に在籍する

 

学生である。学力実力入学試験合格の正統性が疑われてしまうからである。

 

知人の女医さんは現役で横浜市大医学部に合格、進学したが、

 

東京医大は落ちたそうだ。彼女の親はサラリーマンである。

 

もう一人の女医さんは、浪人して杏林と東京医大受けて合格した。

 

杏林はギリギリ合格だったそうだ。

 

彼女の実家は開業医で、今は彼女が家業ついでいる。

 

お二人とも今は立派に仕事をしている。

 

たまたまかもしれないが考えさせられることである。

 

医大に入学させるのも親からみれば投資であるのかもしれない。

 

そのすべてを否定するのではない。

 

しかし、文部科学省の局長が便宜供与の見返りに

 

自分の子供を不正に入学させるのは涜職である。

 

大学医学部の危機 (講談社文庫)