日本のミステリの名作、坂口安吾著『不連続殺人事件』が
新潮文庫から出たようだ。
以前、角川文庫で読んだのだが
新潮でも読んでみることにした。
あらすじも登場人物も
文体もほとんどおぼえているが
この作品は発表後に読者に推理してみよといい
賞金を出した作品である。
賞金額は昭和22年当時ではかなりの金額であったようだ。
正解者が何人かいたようである。
部分的に正解した人もいたようだ。
ミステリなので内容は詳しくかけないのだが、
ある館に人が集まったが、その人たちが次々と殺害されてゆくという
話である。
人が集まる理由が巧みなのだが、現代ではこの設定は難しそうである。
昭和20年代ならではという気がする。
しかし、現代の作家でもなんとかなりそうでもある。
それでも不自然感はあるだろう。
登場人物も魅力的で、これも昭和20年代ならでは
という気がするし、坂口安吾でなければおもいつかない話である。
文体が柔らかく読みやすいのでテンポよく読める。
そういう文体を坂口安吾は意識していたようだ。
登場人物は多いが、次々と殺害されてゆくので
じょじょに減っていく。
連続殺人事件の謎のヒントは実はあるのだが、
そこはなかなか気が付かないような
仕組みになっている。
二回映像化されているが、二回ともみている。
映画のほうが原作の雰囲気を出しているとおもう。
ドラマのほうはエピソードを削っている。
そこは時間の都合上仕方がないか。