下町ロケットはちゃんばら・勧善懲悪だな。
日本人はこういうのが好きだな。
ミステリ作家のレックス・スタウトの作品をまとめて読んでいる。
ハヤカワ文庫やハヤカワミステリで出ている。
『黄金の蜘蛛』など読んでいると、
翻訳ではあるが、この作家の作品が今もアメリカ本国では
読まれ続けている理由がわかる。
熱心なファンはいるのだが、日本ではあまり読まれてこなかった。
日本では著名なヴァン・ダインやエラリイ・クイーンやクリスティなど
ミステリ黄金時代の巨匠たちの作品はアメリカではよまれなくなっているようだ。
さすがに古いというのもあるし、あたらしいミステリが出ている。
ポール・オースターなどミステリ風純文学文学もある。
むしろ通俗文学というべきか。
が読まれるのは会話が面白いからだろう。
テンポがよく、探偵や助手の動きや思考がわかる。
グルメで博識な探偵の巨漢ネロ・ウルフも個性的である。
日本人はトリックやムードや動機を重視する。
会話や地の文の面白さは二の次なので。

- 作者: レックス・スタウト,高橋豊
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日本で読まれないが本国で読まれる
ミステリ作家の雄がスタウトなら、
SFの雄はサミュエル・R・ディレイニーであろう。
日本ではあまり読まれないが、アメリカ本国では読まれている。
日本でも好きな人は好きだが、少数派だろう。
やはり設定やSF的発想よりも会話や地の文が面白い。
主人公のヒロインの会話が面白いのである。
アジア系をルーツに持つであろうヒロインも魅力的である。

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日本人はミステリと同じように
SF的な発想や設定を重視する。
やはり会話や地の文は二の次である。
日本文学のよい作品は読みやすさのよさである。
鴎外と漱石ではどちらが読まれているのかというと
漱石だろう。
鴎外には「猫」や「坊ちゃん」はないのだから。
どのような作品でも読みやすさが重要である。
もちろん内容がなければならないが。
(内容あるけど読みにくいという本もあります。)