昭和史の謎の部分
負の部分でもありますが
昭和24年の下山事件から
7月5日で70年です。
昭和24年7月1日には、
国鉄発足前日に成立した
行政機関職員定員法に基づき、
解雇を決定しました。
戦争から帰ってきた人たちを
雇わないといけなかったので
一気に人が増えました。
水増し、水膨れ状態に
なっていました。
7月4日には組合側に、
第一次整理の3万人を
通告しました。
入った後に消息を絶ち、
捜索願いが出されましたが、
行方不明の15時間後の
7月6日未明に、
東京都足立区の常磐線と
東武伊勢崎線が交差する付近で、
轢死体となって発見されました。
行方不明および死亡の理由は
不明であり自殺説、
他殺説の両方がありました。
東京大学法医学教室の主任の
古畑種基氏は
ノーベル賞以外の賞は
すべて受賞したという
大学者でありましたが
下山氏のご遺体の鑑定は
死後轢断
(ご遺体を列車が轢いた)と
いう鑑定結果を出しました。
すでになくなっていたという
ことです。
他殺を示唆しています。
ただし、古畑氏と
執刀医の桑島氏は
死後轢断であって
他殺かどうかは
わからないといってます。
古畑氏の鑑定は
えん罪事件を
産んだという事実もあって
死後に著書が絶版となりました。
NHKのドラマでは
古畑氏を
下條正巳氏
(『男はつらいよ』の車竜造、
車寅次郎の叔父さん役が有名。)
が演じて
大学教授の雰囲気を
出していました。
中館久平教授は
生体轢断であるとして
(つまりは事故か自殺ということです)
自殺説を主張しました。
ご遺体を実際に鑑定していないので
そこは批判されました。
国会に参考人招致されて
東大 対 慶應の大論争となりました。
ご遺体の胴体部分の損傷が
激しいので
立位で列車と衝突したもの
と思われます。
ご遺体を立たせるのは
難しいですね。
そのような必要性も
ちょっと考えられません。
下山定則総裁が亡くなって、
副総裁の加賀山之雄氏が
総裁代行に就任し、
9月24日に正式に
総裁となりました。
この加賀山氏が
他殺説を主張しました。
側近のいうことには
信憑性がありそうです
ということで
長年他殺説が支持されてきました。
加賀山氏は、
鉄道が大好きで国鉄に
就職した下山氏が
鉄道で自殺するはずがない、
下山氏は意外に口が悪くて
リストラの後に
「(首切りが)うまくいったじゃねえか。」
と放言して喜んでいたと証言しています。
下山氏の替え玉を用意して
他殺を自殺に偽装したと
いう説もありますが
そっくりさんを用意するのは
きわめて難しいと思います。
容姿や体格が似ていることはもちろん
同じ背広やシャツやネクタイや
靴や靴下や眼鏡や煙草を用意して
財布の位置(本人しか知らなかった)
まで知っていないとできないです。
下山氏は理系出身のエンジニアで
国鉄総裁のような職には向かなかったと
思われます。
矢田喜美雄は他殺説を主張しました。
陰謀論が好きな人は
他殺説を信じているようです。
100万の読者を魅了する
といわれたベストセラー作家と
日本一の大新聞の記者の
主張は影響力があるでしょう。
佐藤一氏は
最初は他殺説を信じていたようですが
後に自殺説に転じ
物理的証拠を詳細に調べて、
大著をものにしています。
佐藤氏によると、
下山氏は大リストラに悩んで
追いつめられて、結果
自殺したのだという説です。
睡眠障害があって
処方されていたようです。
考えられます。
佐藤氏の著書では
「初老期憂うつ症」と
あります。
働き盛りでたいへんであったと
思われます。
佐藤一氏の『下山事件全研究』
の内容に反論するのは
ひじょうに困難であると思われます。
自殺説が有力であると思われますが
追いつめられての自殺という説なので
他殺的自殺説であるともいえまます。
下山氏は米軍の要人に拳銃突き付けられて
はやくリストラしろと
脅されたこともあったようです。
下山総裁は鉄道が大好きだったようです。
お墓にある命日は7月5日になっています。
ご遺族は自殺説を信じていなかったのでしょう。
当時の時代背景にも触れたいのですが
本日はこの辺で。
最後まで読んでいただいて
ありがとうございます。
佐藤一氏の労作『新版 下山事件全研究』

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2000年代に出版。
動機や人物像や背後関係に
拘りすぎです。
フィクションとしてはいいのですが。

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歴史の先生の本ですが、
この先生も
他殺説を信じているようです。

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映画。
モノクロで撮影されています。
フィクションとしては
いいのですが。
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