10歳の囲碁棋士の
仲村菫初段が
プロ初勝利でよろこばしい。
先月書こうと思った記事。
今年の6月で
亡くなってから50年たった。
高野さんが生きていれば
70歳である。
生誕70年でもある。
『二十歳の原点』を
読んだのはかなり前である。
渋谷の書店で
新潮文庫の『原点』『ノート』『序章』を
三冊まとめて買って読んだと思う。
暑い日に買って読んだ。
暑いから
疲れていたと思う。
暑くて疲れていた記憶がある。
暑くなると『二十歳の原点』の
青い背表紙を
思い出す。
新装版が出ているからには
売れているのだろう。
文庫で高野悦子の
笑顔の写真があって
それははかなげであった。
高野さんのことを
個人的に知っているはずもない。
しかし、わたしの知り合いの
女性4人が全員
『二十歳の原点』を読んでいた。
わたしにも是非読むように
つよくすすめていた。
女性のほうが共感しやすいのだろうか。
ただ、この4人の女性には
共通点があって
理系から文系へ転向した人
あるいは文系から理系へと
転向した人たちである。
林学を学んだが出版社勤務となった
歴史を学んでいたが途中でやめて
薬学部に再度入学したなど
英文学から機械工学へなど
当初の目標を大きく変更して
進学なり就職をした人たちであった。
最近も転職したようで
畑違いの職場に移っている
ようである。
ただし、皆さん優秀な方々である。
高野悦子がなぜ亡くなったのかは
よくわからない。
持病があったからとか、
失恋であるとか
学生運動に挫折したから
欺瞞的な周囲に幻滅したから
とかいろいろな説がある。
高野悦子は
自分の死に関しては
14歳のころから
考えていたようである。
両親がいて兄弟がいて
それでも孤独であったらしい。
わたしは熱心な読者ではないが、
『二十歳の原点』を読むと、
高野悦子が孤独であることが
わかる。
孤独であることが
高野悦子の行動の
本質的な部分であって
学生運動や周囲の人間関係の
影響は少ないのではないだろうか
とかってに思っている。
誰しもが相対的な関係の中で
相対化したり相対化されたりして
どうにかこうにか生きてゆくのだが
孤独をかかえている人は
確実な何かを求める傾向がある。
加護してくれる存在や
庇護してくれる人でも
思想でも
信仰でも経済的安定でも
絶対的な何が求められないか
求められないと考えたときに
なにもかも放棄してしまうのでは
ないだろうか。
不安を抱えて
生きていたくはないが
常に不安を抱えないと
いけないような
時代が続く限りは
個人の記録を超えて
ますます読まれていくだろう。
最後まで読んでいただいて
ありがとうございます。
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