SNOWLOGの日記

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三島由紀夫没後50年。


news.yahoo.co.jp


 作家・三島由紀夫が事件を起こして亡くなってから

50年経った。

 生きていれば95歳である。

うちには三種類くらいの三島由紀夫の選集や全集がある。

おそらくは祖父や父が買ったものだろう。

 この事件のとき三島は3時間くらい演説するつもりだったが

数分で終わった。

 拡声器がなかったので声が良く聞こえなかったという。

拡声器用意したほうが

よかったのだろう。

 三島がなぜ自殺したのかはわからない。

生前は自殺した作家(芥川龍之介太宰治)を軽蔑している発言を

していたようである。

 自身の自殺は

自衛隊に蜂起を求めたのか

それに失敗したので

自決したのか

最初から自決するつもりだったのか。

自決であり自殺ではないといいたかったのか。

 私は三島由紀夫の小説はそれほどいいとは

おもっていない。

長編よりも短編のほうがいいと思う。

 私が一番好きなのは「鍵のかかる部屋」や

「親切な機械」である。

 小説よりも評論のほうが面白いと

感じる。

 小説にはユーモアが少なく(まったくないわけではない)、

陰惨な話が多い。



「日曜日」など皮肉のきいた話が多い。


 三島は松本清張を嫌っていたようだ。

理由ははっきりとわからないが

人物描写の巧みな松本清張

嫉妬していたといわれている。

 三島の描く人物はどこか

リアルなところがなく

作ったような

感じがする。

 大学出てどこかの役所に勤務していて

どこに住んでいる

等々類型化している。

 これは若くして作家として成功した

他の作家(芥川龍之介大江健三郎村上龍田中康夫)にもみられる。

 清張を中央公論社の文学全集から

外したようで

一時期清張と中公の関係は微妙なものであった。

 三島は清張については

文体がないと酷評していたが

清張の文章は漢字がおおいにもかかわらず

読みやすい。

 三島の文章は修飾過剰で

読みにくい。

 清張と同年生まれの太宰治

文章よりも読みにくい。


 作家・小林信彦は三島の作品については

「小説は一流、評論・随筆は超一流」と評価していた。

 開高健三島由紀夫についてはそのような評価をしていた。

そういう作家には他には正宗白鳥永井荷風川端康成

いる。

 実作よりも評論や随筆のほうが優れているのは

小説家にとって一種の悲劇だろう。


 三島事件の記憶はない

映像でみただけである。

 うちに「学生との対話」という

カセットテープがある。

 あと三島由紀夫が古林という評論家と対談したものを

録音したカセットがなぜかしらある。

 誰かからもらったのだろう。

この対談の内容は面白い。

話すとユーモアがおおいにあるのに

作品には反映されてないという作家であった。

 三島由紀夫は自決しなかったら

95歳まで生きていただろうかと思う。

喫煙飲酒で70代くらいで亡くなっていただろうか?

 三島由紀夫の美徳として

時間にきわめて厳しかったことがある。

待つのは15分までだったそうである。

こういうところは感心する。


 三島由紀夫

「日本は経済的に発展した無機的な国になる。」

という予言は当たっていると思う。