飼い猫がうちの中で行方不明になることがある。
それは飼い主がそうおもうのであって
猫自身はそうおもってはいないだろう。
いぜんうちにいた猫も
どこにいるのかわからない猫だった。
冬にいなくなって
どこにいるのか心配していたことがあったが
高いところにいた。
猫は高いところが好きである。
窓も好きである。
うちの猫は大人しくて
性格の良い猫だったが
ほとんど鳴かなかった
他の猫と喧嘩をすることもなかった。
だから日中でも夜でも
どこにいるのかはわからない。
冬は暖かいところ(暖房のあたる)にいて
夏は涼しいところにいた。
また狭いところも好きで天井と
書架の間にいたことも多かった。
名前を呼ぶと(いつもではないが)
彼は書架の上の方から
さっそうと降りてくるのであった。