SNOWLOGの日記

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『棘の街』とそのドラマ。

暗い話題ばかりではつまらないので


明るい話でも。

ということで、ハードボイルドミステリというか

警察小説の『棘の街』である。

この小説は堂場瞬一氏の警察小説である。

シリーズものが多いこの作家の作品の中では

珍しく単発の作品である。

過去に対峙する警察官という主人公の

過去現在の話である。

家庭や私生活に問題のある刑事というのはアメリカ映画では

あたりまえのように出てきたが、

日本は警察小説の歴史が浅く、

平成初期になってようやく小説やドラマにそのようなキャラクターが出てきた。

実はこの小説はドラマ化されており、

そのドラマはいい出来である。

景気のいいころの二時間ドラマは丁寧なつくりの作品が

多かったが、その不景気になって後雑なつくりになった。

『「棘の街 刑事 上條元」〜白骨死体は初恋の人の愛息!母親失格!帰郷刑事待つ同窓生の暗い秘密』

という身もふたもないドラマ名であるが、

ワイド劇場、二時間ドラマは女性向けでもあるのでこのようなタイトルになっている。

内容は原作に負けず劣らずいい。

主役の上条刑事は仲村トオルが演じる。

良い夫、良いパパのイメージが強い仲村さんだが、この作品では

ハードボイルド風になっている。

奥さまは大丈夫なのだろうか。

刑事の元恋人を演じるは有森也美である。

気が弱い主婦を演じている。

上条刑事の高校の同級生を演じているのが杉本哲太である。

観光会社を経営しているが、本業は暴力団の組長である。

上条からヤクザといわれるが、もともと友人なので何かと上条に協力する。

部下からは「社長」と呼ばれている。

脇を固めるのが、木下ほうかや西岡徳馬渡辺いっけいである。

上司との対立もお約束である。

医師の役で六角精児も出演している。

90年代俳優ばかりであるが、このドラマは傑作である。

犯罪が起きて、犯人捜しがあるのでミステリ要素は当然ある。

ネタバレは避けるが、

意外な犯人で、結末も意外である。

あまり明るい話とはいえないかもしれない。

棘の街 (幻冬舎文庫)

棘の街 (幻冬舎文庫)