ついての裁判です。
今般、結婚時に「夫婦別姓」を選ぶことが
できない戸籍法の規定は、
憲法に反しているなどとして、
大手ソフトウェア会社「サイボウズ」の
青野慶久社長ら4人が国を訴えました。
「夫婦別姓」を選ぶことができないことで
精神的苦痛を受けたとして
計220万円の損害賠償を請求した
裁判です。
(精神的苦痛への損害賠償請求です)
東京地方裁判所は3月25日、
青野社長の請求を棄却し、
現行の制度は「合憲」だとする判断を示しました。
青野氏側は
控訴する方針を明らかにしました。
違憲判決はなかなか出ないですね。
今のところ、違憲判決は10しかないです。
2010年代に二つ出て、この二つは
家族に関する判決でした。
日本人と外国人が結婚・離婚する時や、
日本人同士が離婚する時は、
「同姓」にするか「別姓」にするかを選ぶことができる
ところが、日本人同士の結婚ではそれを認める規定がないことから、
個人が社会で使う「法律上の氏」が二つに分かれてしまい、
現行制度ではそのような事態は予定されていないため、
戸籍法の規定は合理性があると述べました。
日本の戸籍法の問題なのですが、世界標準とか
なぜかしら外国人の話がでています。
適用されないと解釈され、
日本人同士の結婚と同じ状況にあるとは
言えないとしました。
外国に戸籍制度があるかどうかはその国の制度なので
外国の方は当該国に個人情報を
登録していることになりますから
日本の戸籍制度と比べるのは謎ですね。
不利益を被って精神的苦痛を受けたので
損害賠償請求ということなのですが、
原告側が挙げていた不利益には、
知名度や信頼度を築いてきた旧姓は、
知的財産と言えると主張しています。
よって(夫婦別姓を認めないことで)その利用を
制限することは効率的な経済活動を阻害し、
個人の財産権を制限することに
なるという主張をしています。
公式書類は戸籍法上の姓(結婚後の姓)を使う必要があるので
個人の識別に使われるのだから
容易に変えられない方がいいのじゃないでしょうか?
さらに家族の問題があって、
子どもの父母会などでは結婚後の姓を使うのですが、
仕事で関係のある人からは通称としての旧姓で
呼ばれることもあり、周囲が混乱するとも、
夫婦別姓が認められていないため、
事実婚せざるを得なかった場合は
税法上の扶養家族になれず、
税法上の優遇制度の適用がないです。
事実婚の場合には戸籍がないのですから、
(当たり前ですが)ないものは保護されないですね。
また、いずれかが病気で入院した場合、病院で
配偶者として認めてもらえない可能性はあります。
原告側の弁護士は判決後に開かれた会見で、
「国側は、法律上の氏は一つで分けることはできない。
結婚後に旧姓を用いるのは二つの氏を
認めるようなものだから、
(現行の制度上)それはできないと主張してきました。」
例えば記事ならば
記名であれば記事を書いた人が誰かがわかるのですが
結婚して姓が変わると
それがわかりにくくなるというようなことを
と述べたようです。
これは学術論文でもそうですね。
「夫婦別姓」を選べないので
精神的苦痛を被ったので
損害賠償請求の民事訴訟ではありますが、
「夫婦別姓」を選べないことは
憲法に違反するか?ということを考えみますと
先ず、憲法24条で婚姻は、
両性の合意のみに基いて成立し、
夫婦が同等の権利を有することを基本として、
相互の協力により、維持されなければならないと
規定しています。
この条文では夫婦の同姓は強制はされていません。
民法750条では
夫か妻の氏を称することになっています。
選択ができるのですから、
これはやはり「同姓」を強制している
とまでは言えないと思います。
弁護士の主張はそのまま、
姓は、個人の呼称としての意義があり、
名とあいまって社会的に個人を他人から識別し
特定する機能を有するものであるという主旨
(それ以外にも憲法13条や14条に
違反するかどうかの
判断があるのですが)
の2015年12月16日の最高裁判決にも
あてはまることはあてはまりますね。
個人的にはこの裁判よりも
親の共同親権のほうが重要な裁判だと思います。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
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