明日は大寒である。
なんで寒い時に試験をするのだろうか?
大正時代までは秋入学だったのに。
今年も寒い大学受験の季節がやってきた。
大学受験の成果を象徴する事例として
東京大学の合格実績があげられる。
今や、大都市の富裕層の子女が
進学校に通い、塾にも通って
楽に合格するようになってしまった。
親の年収と子の学力が正の相関関係にあるのだ。
私立の医大に入学できるのも富裕層の子女である。
入試の不公正さが問題になった2018年であったが、
私立医大に数千万円の入学金や学費を払えるだけで
もう公平ではないのである。
東京大学はかつてその入試が
行われなかった年があった。
1969年の「東大入試中止事件」だ。
学生運動全盛期の1968年、
全国の医学部の学生と研修医が処遇改善を訴え、
全共闘の活動拠点の一つだった東大で、
当局が機動隊を突入させて武装解除されたが、
その影響で、翌1969年の東大入試の日程はころころ変わり
ついには入学試験は中止に追い込まれた。
当時の東大を目指していた現役受験生の多くは浪人を選択した。
浪人できない現役生は他大学へ進学した。
浪人生は、涙をのんで東大をあきらめて
一橋大など別の難関大へと
方向転換を余儀なくされた。
東大はこの中断を機に入試制度改革に着手した。
1971年から5教科の前期試験、
通過者に4教科の二次試験を課すという
二段階の試験を行った。
共通一次は東大の前期試験、
二次試験の真似と言われたようだ。
機動隊導入は、大学側の大学自治の
放棄であると批判を受けた。
大学へ警察官が入るときは事前に連絡するのが
通常である、確立されたものではないが。
事件のせいで東大うけられなくて、
涙をのんだ受験生は気の毒である。
わたしはこの事件の関係者に教わったことがある。
今も予備校で物理を教えているようだ。
科学史家でもある。
昨年夏に過労で倒れたようであるが。
お元気で物理を教え続けてほしいものである。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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「その年東京大学は入学試験を中止した」
という冒頭の文章が有名である。
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