SNOWLOGの日記

静かに地道に暮すことを目指します。X(旧Twitter)もやっています。

学振の研究員で単著がある博士を優遇しましょう!

 東京大学名誉教授で

社会学者の上野千鶴子氏が

東京大学にも性差別はあると

入学式の祝辞で述べています。

 上野氏は京都大学出身ではなかったのか?

東京大学名誉教授なので

東京大学について語ってもいいとは

思いますが。


 京都大学と言えば、

雇い止めの問題がありました。


 2011年に文学部図書館に勤務していた

元時間雇用職員の2人が、

雇用契約を更新されなかったのは

違法であるとして、

地位確認を求め京都地裁

訴えていた裁判の判決が

2011年3月31日にありまして

原告側の請求を棄却する判決が出されました。


 驚くべきは裁判官の判決文で、

一般的には雇用契約は無期契約が原則としながら、

 2人の仕事は、家計補助的業務と呼ばれるもので、

こうした労働契約に応募する者の多くは、

基本的には配偶者の収入を主たる財源として

生計を維持することを想定したもので、

無期雇用が妥当とは認め難いとしました。

 さらに、京大を卒業した原告が

そのような家計補助的労働に

しか就けない合理性は不明で、

どのような世界観・人生観で従事したのか

とも記して、

解雇権乱用の類推適用は出来ないとしました。

 その上で業務の進捗状況や大学側の説明から、

契約更新が終了となる可能性は

原告側にも認識できたはずだとも記しました。


 すごいこといっていますね。

この裁判官がいってるのは

「図書館の業務は家計補助的業務で、

京大卒ならもっと稼げる仕事につけるはずだろう、

君たちはなんでそんな仕事やってるの?」

ということらしいです。


 大きなお世話というか、職業差別ですね。

当然原告は控訴しました。


 ちょっとそれました。


 学振の研究員で、単著があって、

博士号を持っている女性が

2016年に亡くなっています。


 学振の研究員で、単著があって、

博士号を持っている

という研究者は相当優秀だと思います。

 この三つがそろっている方はなかなか

いらっしゃらない。


 なぜか日本は大学院にいくのは無駄というか

博士になったら就職できないというような

変な現象があるようです。


 他国では博士はもっていないと

相手にされない国もありますね。


 日本で明治時代からある大学は

三つしかないです。

伝統と歴史がある大学です。

 その三つの大学のうちの一つの大学で、

日本仏教を研究してきた女性研究者が、

2016年に40代の若さで自死しました。


 2004年に博士に、2005年に

月額45万円の奨励金が支給される

日本学術振興会の特別研究員に選ばれました。


 2009年度に若手研究者が

対象の賞を相次いで受賞しましたが、

特別研究員の任期は3年間で、

その後は経済的に苦しい日が続いたそうです。

 研究職に就こうと20以上の大学に

応募したようですが、

残念ながら採用されなかったようです。


 優秀な方が若くして亡くなるのは

残念にもほどがあります。


 1990年代に国が進めた

「大学院重点化」で、

大学院生は急増しました。

 しかし、大学教員のポストにつけた人は

1990年代後半には少なかったです。

 文科系学問の研究者は特に

厳しい立場に置かれているようです。

 1970年代生まれで、

修士や博士でも

いまだに非常勤の仕事を掛け持ちしている

方は多くいます。


 科学や経済には、発展してあたりまえ

発達するのは結構なことじゃないか

という無謬主義がありますが

 人文知を軽視すると、

暴走して、大不況になったり、

近隣の全体主義国家のような国にならないかと

心配ですね。



最後まで読んでいただいて

ありがとうございます。



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