SNOWLOGの日記

静かに地道に暮すことを目指します。X(旧Twitter)もやっています。

ドラマスペシャル アガサ・クリスティ 『予告殺人』を視る。

 眼に悪いからと

テレビ番組はみないといいつつも

ミステリドラマは気になります。


 ミステリの女王アガサ・クリスティ

創造した名探偵が

エルキュール・ポワロでありますが

 もうひとりの名探偵

『火曜クラブ』で登場したのが

ミス・ジェーン・マープルですね。

 イギリスの田舎に住んでいるという

編み物が好きの独身の上品な老婦人で、

性悪説を信じていて、

人間の傲慢さや強欲さを暴いてみせます。

 ドラマのジョーン・ヒクソン

イギリスの老婦人という感じで

いちばん原作のイメージに近いと思います。


 エルキュール・ポワロが事実から

帰納的に推理して真相に迫って

事件を解決するのですが


 ミス・マープルは演繹的推理、

帰納的推理のいずれの推理も

優れています。


 ミス・マープルが登場する名作が

『予告殺人』ですね。

『予告殺人』『動く指』『鏡は横にひび割れて』が

ミス・マープルものの名作だと思います。


 『動く指』にはほとんど出てこないのですが

この作品はあまり映像化されないですね。


 日本のアガサ・クリスティのファンクラブの会報の

「ウィンタブルック・ハウス通信」は

2013年で休刊しましたが、

ファンの活動は続いています。


 「ウィンタブルック・ハウス通信」による

 クリスティ作品のベスト10は

1、『そして誰もいなくなった

2、『アクロイド殺し

3、『予告殺人』

4、『ABC殺人事件』

5、『オリエント急行の殺人』

6、『火曜クラブ』

7、『ナイルに死す』

8、『葬儀を終えて』

9、『ゼロ時間へ』

10、『スタイルズ荘の怪事件』


 クリスティ自身によるベスト10は

1、『そして誰もいなくなった

2、『アクロイド殺し

3、『予告殺人』

4、『オリエント急行の殺人』

5、『火曜クラブ』

9、『ゼロ時間へ』

6、『ABC殺人事件』

7、『終わりなき夜に生まれつく』

8、『ねじれた家』

9、『無実はさいなむ』

10、『動く指』


です。


 途中で犯人の検討がついてしまう

そして誰もいなくなった』や

ミステリのルール違反ではないかと

賛否両論の『アクロイド殺し』が

それほどの傑作かとは

思いますが、

 ウィンタブルック・ハウス通信のベスト10でも

クリスティ自身のベスト10でも

『予告殺人』は上位にありますね。


 わたしが好きな10作品は

1、『予告殺人』

2、『ポケットにライ麦を』

3、『死との約束』

4、『五匹の子豚』

5、『白昼の悪魔』

6、『鏡は横にひび割れて』

7、『ナイルに死す』

8、『メソポタミアの殺人』

9、『スリーピング・マーダー』

10、『動く指』

です。順位はなし。


 クリスティ作品は

エラリー・クイーンのような

本格ミステリ、パズルようなところもなく

カーター・ディクスンのような

密室トリックや歴史ミステリに対するこだわりも

ないのですが、人物造形にすぐれていて

動機重視のところが

日本人に受けますね。


 さて、テレビ朝日のクリスティ作品のドラマですが、

2017年から続いています。

 2017年は二夜連続で

そして誰もいなくなった。』でした。

2018年は『パディントン発4時50分』と

『大女優殺人事件~鏡は横にひび割れて~』でした。

 『大女優殺人事件』は

探偵は男性の警察官になっています。

 この作品の設定、犯人、殺害方法、被害者、

動機は一回しか使えないでしょう。

よく思いつくなあと思います。


 わたしは小説と漫画は女性作家の

ほうがすぐれていると信じています。

 
 さて、今晩のドラマ『予告殺人』

原作はハヤカワ・ミステリ文庫で読みました。

好きな作品です。


 しかし、あまり知られていないようです。

1982年のクリスティのファンクラブの

ベストテンでも

そして誰もいなくなった

アクロイド殺し

オリエント急行殺人事件

についで4位に選ばれている

テレビ朝日のサイトにあります。


 わざわざそう書かなくては

ならないというのは、ベスト3の作品に比べて

あまり知られていないからでしょう。

 『予告殺人』は、

 田舎の新聞の広告に殺人のお知らせが出るという

冗談みたいな設定から始まっています。

 ドラマではタウン誌という設定になっています。

住民はいたずらやジョークだと思い込んでいます。

 館に人があつまると、

本当に殺人事件が起きてしまった・・・

 沢村一樹演じる警視庁警部は、どう解決するのか?

トリックは本格ミステリにおいては

ルール違反ともいえますが、

こういうのもありだと思います。

 外国人の名前を日本人名風に

当てはめるのは無理があると思いました。

日本人名の設定でよかったと思います。


 結末について書くことや

ネタバレは避けます。



最後まで読んでいただいて

ありがとうございます。


クリスティ文庫になっています。

読んだのはこちらの方です。
訳者はおなじ。