SNOWLOGの日記

静かに地道に暮すことを目指します。X(旧Twitter)もやっています。

小林信彦『新編 われわれはなぜ映画館にいるのか』を読む。

  先週の金曜日の午後9時台うつらうつらとしながら

NHKのラジオ番組「夜開く学校、飛ぶ教室」を聴いていたら、

作家・高橋源一朗が

小林信彦著『新編 われわれはなぜ映画館にいるのか』を

今日の一冊として取り上げていた。

1932年生まれとちらっと聴いたので

小林信彦氏を連想したのであった。

 この「新編 われわれはなぜ映画館にいるのか」は

元は晶文社から1970年代に単行本で出ていた。

90年代にも追加版が出たとラジオではいっていたが

それについては買ったかどうかはわからない。

 手元にあるのは(みつけることができたのは)

晶文社版とこのキネマ旬報社の新編である。

うちの中には多くの本があるので

どこに何があるのかだんだんわからなくなってきた。

 内容は堂々たる評論で、それは娯楽映画を論じても

立派なものである。

論争になった文章も収録してある。

標準語というか東京弁で読みやすい文章を書く作家は

少ないが、山口瞳氏と小林信彦氏はまさにそうである。

 元の本は70年代のものなのだが、70年代の小林信彦氏は

あぶらが乗っていて、そのコラムや評論は絶品である。

 晶文社から出ている単行本は名著が多く

他には『東京のロビンソン・クルーソー

『東京のドン・キホーテ

『エルヴィスが死んだ 小林信彦のバンドワゴン1961→1976』

など最高である。

これらの本は年に何回か読み返している。

 新編には写真も収録されているが

小林氏が映画館のまえにいたり、タバコを吸おうとしたりで

雰囲気が出ているものである。

 GWにこの本を読み返そうと考えている。