今日も裁判に関する記事です。
報道に依りますと
自殺したのはいじめが原因だとして、
遺族が元同級生3人と保護者に慰謝料など
3800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が2月19日、
大津地裁でありました。
地裁は3人のうち2人に対し、
いじめと自殺の因果関係を認め、
計約3700万円の賠償を命じました。
いじめ防止対策推進法成立の
契機となったこのいじめ自殺問題は、
発生から7年以上を経てやっと賠償命令が出ました。
遺族側は自殺直前にいじめが激しくなっていった
経緯や行為の悪質さなどから、
「男子生徒に加えられた激しいいじめは
自殺につながるものだった」と主張した。
元同級生側は「遊びのつもりだった」と反論し、
いじめの存在や自殺との因果関係を否認していた。
遺族は2012年2月、大津市と元同級生3人、
保護者を相手取り、7720万円の損害賠償を
求めて提訴しました。
自殺の因果関係を指摘する調査報告書を基に、
「男子生徒がいじめを受けており、
自殺に至る可能性のある精神的苦痛を受けていた」とする
地裁の和解勧告を受け入れ、2015年3月に和解が成立しました。
元同級生らとの訴訟は分離されて継続していました。
遊びやいじめというには性質が悪すぎる行為です。
隠ぺいに動いた教育関係者の対応もまずかった。
この事件を再調査する第三者委員会を設置した
大津市長は、自身も高校時代いじめを受けていたと告白して
進学校でもいじめはありますね。
いじめ対策はまだまだ遅れていると思います。
いじめが社会問題化したのは
昭和60年(1985年)頃です。
1986年に都内在住の少年が執拗ないじめにあって
父の実家のある岩手県に向かい、
ターミナル駅の駅ビル内で自殺した
事件がありました。
教師までが加担した悲惨ないじめ自殺事件でした。
さらに悪質なのは1993年1月の
少年法改正へも影響を与えた事件で、
男子生徒が中学校の体育館用具室内で
遺体となって発見された事件です。
同じ中学の上級生と同級生の加害者の計7人は
翌1994年保護処分(刑事事件の有罪に相当)となりましたが、
少年ではありますが、いじめを通り越して
傷害致死か殺人ではないでしょうか。
地域性も注目されました。
その後亡くなった少年のご両親は加害者たちに
損害請求賠償の民事訴訟を起こしましたが
加害者全員に賠償の支払いが命じられました。
しかし、いまだに支払に応じない加害者もいるようです。
御両親は時効にかからないように2016年に
再度提訴しているようです。
直接手を下しているので、自殺に追い込んだ事例よりも
悪質ですね。
大津市の事件は賠償命令が出てよかったです。
この判決がリーディングケースになるといいです。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
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